春と肝
2015-03-16
30代 男性
みぞおちあたりが詰まっているような、息苦しさを感じ、胃に食物が入ると
圧迫されて違和感があります。
胃のお薬を処方されましたが、あまりよい変化はなかったようです。
ご自分でもストレスですね、とおっしゃっていましたが、精神的にも疲れ不安感があります。
脈が強く、腹部も季肋部に抵抗があります。
本来、気血ともに充実して健康な時は、腹部も充実して柔軟な状態です。
東洋医学ではこのような状態の時、肝が虚していると考え、肝を補ってあげる治療をします。
血が虚していることによって発生した熱が、身体の中で上昇したり外に出ようとして、
肺や心臓、喉まわりに滞っているのです。
ごく浅い鍼で置鍼をし、ゆっくりと自律神経が整うのを待ちます。
背中の治療を終えた頃には、胸のつかえも落ち、脈も落ち着きました。
鍼灸の、一番得意とするところです。
もともと季節の春と肝には、密接な関係があります。
自然界の現象として、人間の身体の中でも肝の気が高まって、発散しようと動き始める
時季ですが、さらにイライラ感が募ると肝の働きを妨げてしまいます。
春は意識して、気分転換やリラックスをしていきましょう。